日本と海外で働いてみて感じた「働くこと」の違い
2016.09.19 Monday
東京で7年間、カンボジアでおよそ2年間、
そして福岡に戻って3週間の間働いて感じたのは、
「働くこと」は航海に出ることだと
例えるとわかりやすいということです。
そうすると会社は船ということになります。
みなさんは今どんな船に乗っていますか?
フリーランスの人は一人でボートを漕いで
船の管理も全て自分一人で行っているかも知れません。
ときに大きな船が作る波に煽られ、
ときに大きな船の後ろに隠れて逆風を避けたりしながら
必死に目的地に向かっていることでしょう。。
ベンチャー企業で働いている人は、
高速船で目的地に向かってみんなが一つになって
邁進していることでしょう。
社員=乗組員もどんどん増えていくので
それに合わせた適切な船のバージョンアップが
大事になってきます。
ベンチャーの強みであるスピードを活かした
航行が鍵になってきます。
社員が数万人もいるような大企業で働いている人は、
誰もが憧れる立派な豪華客船を誇りに思っていることでしょう。
大きすぎるが故に、見えないことも多く、
船上の華やかさばかりに気をつかっていると
船の本質である安全運航と本当に目的地に向かっているか
ということが曖昧になっているケースもあるかも知れません。
昨今のように一人の社員が開けた穴=不祥事で
沈没することもありますが、
できるだけ遠くに辿り着く=大きな目標を達成するには
やはり船の規模も必要です。
次に海=経済状況の様子を見てみましょう。
日本の海は局面では激しい波も見られるものの
海全体で見れば波は緩やかで目の前に大海原が
広がっているような感じでしょうか。
カンボジアの海は海ではありません。
激流の川という表現の方がぴったり来ます。
毎日予想外の障害物が流れてきますが、
その全てに対応する余力がないケースが多いので、
障害物が本当に自分の船にぶつかるのかどうか、
ぶつかったときの影響度を考えて、対応の要否と
その内容を判断し、実行する必要があります。
環境が人を育てると言いますが、
この環境の違いが国民性を作る一つの要素に
なっていると考えます。
例えば多くのカンボジア人は小さな船で激流の中、
航行を続けています。小さな船が故にみんなが
船が前に進む仕組みを経験的に理解している一方、
沈没しないことで精一杯だったり、目的地が近く
なる傾向があります。また、激流の中で大きくて
頑丈な船を築くことができれば安定し航海を
続けることができます。余波を受ける小さな船に
とっては大変な環境ですが・・・。
日本の船に乗るとその船が大き過ぎるが故に、
役割を分担する必要があります。
もし船上部の装飾だけを長年続けていると、
船を航行すること=装飾することという
考えになってしまうかも知れません。
あくまでも本質はいつどこに辿り着くか
ということ。余裕があればどんな感じで
航行するかということにもこだわってみて
いいのではないでしょうか。
この例えを用いて気がついたこと。
それはカンボジアで船から落ちれば死に直結しますが、
日本で船に落ちても日本政府丸が助けてくれたり、
他の船に乗り換えることが比較的簡単だということです。
ただこれまでよりカッコイイ船に乗り換える
難易度は高いですが。。。
私は新卒で船員700人くらいの高速船に乗り込み、
船員2,500人くらいのときにその船を下りて、
カンボジアの激流を航行する小さな船に乗り込みました。
案の定、半年後には沈没しましたが、いろいろあって
激流の中でさらに2年間を過ごし、
この8月から日本で新しい船に乗船しました。
その船には船首にカッコいいエンブレムが着いていて
世間一般の同じ規模の会社に比べれば断然注目されています。
乗組員一人ひとりの個性も豊かなので、
みんなが同じ方向に向かって進むのか、
それぞれの方向に向かって進んでしまうのかで
船のスピードは全く違ってくると思います。
まだ新しい試合が始まったばかりですが、
より良いアディッショナルタイムを過ごせるよう
ハードワークしたいと思います。